写真のビタミン
photographing technic


たまに、標準レンズ縛りの街中スナップをしませんか?



野球などのスポーツ、あるいは歌唱などもそうなのですが、練習するときに、技術を「要素」に分解して、1つ1つの要素をバラバラに練習したうえで最後にそれを集めて総合的な野球、あるいは総合的な歌唱みたいなものにすると思います。
写真も同様で、漫然と撮るのではなく、たまには技術を要素に分解して、1つの要素にこだわって練習をすることで、寄せ集めた総合的な写真のレベルを上げることができるものと思う。
50ミリ=標準レンズ縛り、というのは、50ミリレンズというのは望遠の圧縮効果も広角のパースも出づらい実直なレンズで、レンズの力頼りでは強い写真が撮れないのです。それだけに自分の足と被写体へのカメラの向け方で広角っぽさを出したり望遠っぽさを出したりして、レンズを使いこなす、自分の足を活用して写真を撮る、というトレーニングになるものと思います。

いまどきの携帯電話は広角側がすごいことになっていますが、ですが、その「すごい広角」というものを、ただ漠然と広い範囲が写っている「何を撮ったかが明確でない」写真を撮るために使っている人が多いようにも見受けられます。

写真は、「自分が感じたものを映像化する」というのがいちばんの大きな幹ですので、何も感じないのにシャッターを切っても写真にはならない。それが、広角や望遠だとレンズの面白さでごまかせるかもだけど、標準ど真ん中のレンズではごまかせない。
だから、はじめは50ミリ遊びではなかなかいい写真を撮るのは難しいかもしれないし、ちゃんと現場で何かを感じて、それをストレートに映像にできるようになれば、レンズにごまかされない普遍的な実力が伸びて、他のレンズを使ったときにも一皮むけた写真が撮れるようになるのではないかと、僕は思っている。

(2025.07.15)